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PTCサーミスタの用語と定義

  1. 零電力抵抗値
  規定の環境温度下において、PTC素子の測定中に生じる自己発熱効果が極めて小さく無視できるほどである場合に測定される抵抗値。
  
  2. 室温における抵抗値
  PTC素子の25℃におけるゼロパワー抵抗値。
  
  3. 定格常温抵抗値
  PTC素子の25℃におけるゼロパワー抵抗値の公称値。
  
  4.キュリー温度(スイッチング温度とも呼ばれる)
  PTC素子の抵抗値が急激に増大し始める温度を、25℃におけるゼロパワー抵抗値の2倍に相当する温度として定義する。なお、特別な指定がある場合には、最小抵抗値の2倍に相当する温度として定義することもできる。
  
  5. 定格動作温度(TR)
  抵抗-温度特性曲線のステップ部における公称温度とは、その温度点においてPTC素子を用いた制御システムが動作開始状態に移行するよう設計されている温度であり、一般に温度検出ポイントとも呼ばれます。また、規格ではこの温度に対応する抵抗値の範囲が規定されています。
  
  6.表面温度
  規定電圧下で、PTC素子が周囲環境と熱平衡状態に達した際に得られる温度であり、仕様書では通常、環境温度として25℃が指定されています。
  
  7.動作電圧(定格電圧ともいう)
  通常は回路に供給される電圧に等しく、PTC素子の最大動作電圧よりも低い。
  
  8.最大動作電圧
  規定の動作環境温度下において、最大動作電流を超えない範囲でPTC素子に連続的に印加可能な最大電圧値。
  
  9. 最大直流リンク電圧VLmax
  起動瞬間のサージ電流抑制の応用において、フィルターコンデンサーに発生し得る最大電圧。
  
  10.絶縁電圧(絶縁型PTC素子にのみ適用)
  連続運転条件下において、PTC素子の絶縁保護層/外装と任意の導電表面との間に印加できる最大ピーク電圧。
  
  11.最大動作電流
  規定の動作環境温度下において、PTC素子が最大動作電圧を印加したときに許容される最大通過電流値。
  
  12.残留電流
  規定の環境温度(優先して25℃)下で、PTC素子が定常状態に達したときの電流値であり、別途定めがない限り、印加電圧は最大電圧とする。
  
  13.動作電流
  規定の環境温度(優先して25℃)において、サーミスタが規定時間内に高抵抗状態へスイッチングするための最小電流。
  
  14.動作しない電流
  規定の環境温度(通常は25℃)において、サーミスタが常に低抵抗状態を維持できる最大電流。
  
  15.動作時間
  25℃の環境温度下において、PTC素子に電流を接続した時点から、PTC素子を流れる電流が最大値Isから0.5倍のIsに低下するまでの時間。
  
  16.回復時間
  25℃の環境温度下において、PTC素子が最大動作電圧での定常状態から電源を切断した時点から、抵抗値が常温時の抵抗値の2倍に低下するまでの時間。
  
  17.消費電力
  PTC素子が規定の環境温度下で最大動作電圧を印加した際の定常動作状態において消費する電力。
  
  18. 短時間過電圧(耐電圧とも呼ばれる)
  常温条件下において、PTC素子が短時間に許容できる最大動作電圧を超える電圧値。
  
  19.破壊電圧
  常温条件下において、PTC素子が短時間に耐えられる限界電圧を超えると、PTC素子は故障するおそれがあります。
  
  20.熱容量
  PTC素子本体の温度が1 K上昇するごとに供給されるエネルギー(ジュール)を示す。
  
  21.散逸係数(δ)
  規定された環境条件(温度・媒体)下において、PTC素子における消費電力の変化量とそれに伴う抵抗体温度の変化量との比を散逸係数(δ)といい、単位はW/Kで表される。
  応答時間
  a) 環境温度の変化に起因する応答時間(ta)
  環境温度の変化に伴ってPTC素子の温度が変化します。この2つの特定の温度の間で温度が変化するのに要する時間が、すなわち環境温度の変化に対する応答時間です。
  b) 電力変化に起因する応答時間(tp)
  二つの電力入力条件下において、PTC素子の温度が規定された二つの状態の間で変化するのに要する時間、すなわち電力変化に伴う応答時間が、この場合の応答時間に相当する。
  
  22.熱時定数
  PTC素子の熱時定数(理想値)は、その熱容量を散逸係数で除した値である。
  a) 環境温度の変化によって生じる熱時定数
  PTC素子が外部環境の温度急変の影響を受ける場合、PTC素子の温度がその初期温度と最終温度との差の63.2%に達するまでに要する時間。
  b) 冷却による熱時定数
  PTC素子が電気加熱により過熱し、その後静止空気中で冷却されて過熱温度の63.2%に達するまでに要する時間。
  
  23. 動作温度範囲
  PTC素子が最大動作電圧下で、最大動作電流を超えない環境温度範囲内で連続運転できる範囲